最終日
目が覚めると隣におやっさんが寝ていた。まったく異国の地に来て野郎とベッドを共にするとは夢にも思わなかった。まあ、それはそれで、今日は最終日。悔いを残さないＢＥＴをしなければならない。って毎回大勝負に出て良い事が有った例が無い。困ったもんだ。
３人並んでルーレット勝負。昨日３人で＄２０００以上抜いた台だ。今日もガッチョリ頂きましょう。落ちている金は拾わなきゃ損だからな。
Ｙ「つ〜〜か、ことごとく我々の目を外してくるな。あのディーラーは」
Ｇ「イカサマですかね？」
Ｙ「間違いないね。あのディーラーは自由自在に出目を操れる凄腕ディーラーに違いない」
Ｇ「どうする？止めるか？」
Ｙ「いや、ここで引き下がっちゃ負けだ。玉を投げる前に軽く張って、投げ終わった後に他のポイントに太く張るんだ」
Ｇ「頭いいね？」
Ｙ「だろ！俺様は博打の天才だよ！！」
凄腕ディーラーは鋭い眼光をウィルに光らせ・・・る事は無く、眠そうな目を擦りながら、大あくびしながら玉をほおり投げた。どうやら出目を自由に操れるディーラーは存在しないという私の仮説は当たってそうだ。それ即ち、当たらないのはツキか無い証拠。やっぱ最終日は弱いね。
でっ、今回は「５」の目にターゲットを絞っていた。この目だけは太く抑えて他は抑えて程度。しかしこれが笑っちゃうくらい当たらない。５は勿論、押さえの目もことごとく外す体たらく。チップは湯水の如く減っていく。そう言えば、昨日のルーレット勝負の後、こんな会話をしたっけ。
Ｆ「いや〜〜３人で＄２０００以上の浮きですな」
Ｙ「楽勝だね♪」
Ｆ「けど明日、３人で＄２０００負けたら笑っちゃうね」
Ｙ「まあ、有り得ない話でもないが大丈夫でしょ」
でっ、現在よっちー一人で＄２０００負けている。３人でではない、１人でだ。狙った５の目は最後の最後まで出ることは無かった。流石にフラフラになってテーブルを後にしてトイレに行った後、そのテーブルの出目表を見ると、よっちーが席を立った直後に出た目が「５」・・・。お約束です。つ〜〜かやっぱイカサマです。（んな〜事はない）
こんなイカサマな博打やってられるか！。１人で勝手に怒りを露にしてＢＪのテーブルに向かう。グリーンをチマチマ張ってコツコツと稼ぐのはかったるくてやってられない。ここは太く行こう。いや、行くしかない。
戦術はバッチリだ、カウンティングだってやっちゃうよ。と意気込んでプレーしたが、何かがオカシイ・・・。テンカードの出が妙に悪い気が。つ〜〜か「１０」のカードが出たか・・・。あ”っ！！っと思っても後の祭り。座ったのはPONTOONの席だったとさ。ＢＪに比べて期待値がどうのとか細かいことは知らないが、少なくともＢＪの戦術がそのまま通用するわけが無い。そそくさとテーブルを去り、ＢＪのテーブルを探す。つ〜〜かこのカジノってPONTOONが非常に多いんですけど。ＢＪが１に対してPONTOONが１．２位の割合で設置。
ようやくＢＪのテーブルに付いたは良いが、悪い流れは変わりはしない。張っては取られ張っては取られの繰り返し。見せ場がないと書くことが無くて困る。それ以前に弾が全部溶けてしまった。金が無ければ打てないのが博打。さて・・・。
カリビアンを打っているおやっさんとＧ・ダイバーさんを発見。
Ｙ「・・・・・・」
Ｆ「おおっ！びっくりした。よっちー氏じゃないの」
Ｙ「・・・・・・」
Ｆ「どうしたん？」
Ｙ「何から申し上げてよいか。話すと長くなるので結論から言うと金が無い」
Ｆ「えっ？。飛行機の時間までまだまだあるよ」
Ｙ「そうなんですよ。だからね・・・」
Ｆ「金なら貸せないよ！」
Ｙ「それじゃ、ダイバ・・・」
Ｇ「断る！！」
まったく冷たい友人だ。しかし金が無ければ博打は始まらない。こんなことも有ろうと思って（？）日本円と米弗を少々残しているのさ。CHASERに向かい米弗を穴場にほおり投げ豪弗に変換完了。さて、タネは出来たッと♪。
最後の博打に選んだのはPaiGow。一撃が無い博打なので奇跡の挽回は無理っぽい。けどまあ、太く張っていけば多少の挽回はあるかな？。つ〜〜ことで、＄３００とか＄５００とかのペースで張りつづける。結果はテンコシャンコ。コミッション分だけ微妙に削り取られている。嗚呼、段々イライラしてきたぞ。
負けたらどうする？汗水働いて得た金が・・・。そんな考えが博打上では無粋なのだ。金なんて所詮、紙切れ。失ったところで命まで取られるわけじゃあるまい。面倒だ！、FullBox（MaxBet)いっちゃれ！！。結果は牌が教えてくれる。後は野となれ山となれ、けせらせら。
楽勝だったり、惜敗だったり、惨敗だったり。うむ、やっぱ負けが多い。便所へ行ったり、煙草を吸いにいったり、再び両替に行ったりして（苦笑）なんとか流れを変えようとするが体制は決しているのか？結局、全てのチップを溶かして、The End。澳門に続いて、ここ豪州でも最終日の惨敗が響いて、最終結果も惨敗という憂目に。嗚呼、博打の神は私を見捨てたのか？そもそも私には博才が無いのか？
Ｙ「いや〜〜ケツの毛まで抜かれました」
Ｇ「ぷっぷっぷっ、これで澳門に続いて２連敗ですか？。まあ、私は最後のバカラ大勝負でガッチョリ稼がせて頂きましたが、なにか？」
Ｙ「ちっ、見てましたよ。あんたの後ろで、飛べ！飛んじゃえ！って念を発していたんですけどね」
Ｇ「これに懲りて、カジノは引退したらどうですか？その方が堅く稼げるよ。間違いなく」
Ｙ「けっ、くそったれな月給で真面目に働けますかってんだ。まあ、見てなさい、この借りはベガスで返すから。」
Ｇ「まだ、帰国もしてないのに、なに次の話をしてるんですか」
Ｙ「だって、次のベガスと言ってもすぐの話じゃないですか？さあ、さっさと帰国してベガス行きの航空券の手配でもしましょ」
Ｇ＆Ｆ「・・・・・・え”っ？」
本日の負債総額 ―＄４.２００
